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MammaBaby Column|MammaBaby(ママベビー)

森も海も、つながってる。子どもたちが自然に飛び込み考えた、夏の1日。森も海も、つながってる。子どもたちが自然に飛び込み考えた、夏の1日。

森も海も、つながってる。子どもたちが自然に飛び込み考えた、夏の1日。 IMAGE

「森は海の恋人」と、2回目となるサマースクールの開催

2025年8月、宮城県気仙沼で、森と海が織りなす舞根の自然を舞台に「BLUE & GREENぷろじぇくと」として今年3回目となるサマースクールが開催されました。「NPO法人 森は海の恋人」と2回目の共催となり、昨年に引き続き舞根の自然に触れ合いながら、自然の循環を学ぶプログラムが実現しました。

「BLUE & GREENぷろじぇくと」は、ママベビーの完全ノンケミカル*UVシリーズの売上の1%を、環境保全に取り組む団体へ寄付する活動として2024年にスタートしました。日常の中で手にするものに意識を向け、環境に優しい選択をすることが、海や森を守り、子どもたちの未来につながることを伝えています。

ママベビーのUVシリーズをご愛用くださる皆さまの支えを受けながら、2030年までに1,000名の「小さな哲学者」を世界に送り出すことを目標に、自然と共生する感性や知性を育む活動を続けています。

昨年は合計1,334,599円を2団体に寄付。2025年は全4回の開催を予定しており、今回のイベントでは子どもたちが命のつながりを体で感じながら、自分たちの暮らしと結びつけ、海や森を守りたいという気持ちを少しずつ育んでいきました。

*紫外線吸収剤だけでなく、シリコンや合成ポリマーなどの化学成分は一切使用せず、100%自然由来成分で作られた日焼け止めのこと

子どもたちを迎える、舞根の豊かな自然といきものたち

8月のある朝、気仙沼の空は澄み渡り、柔らかい風が頬を撫でます。「森は海の恋人」の拠点である舞根研究所の前には湾が広がり、うみねこの鳴き声が響いています。明るい群青色の海からは、小さな魚の群れがゆらりと泳ぐ様子もはっきり見えました。桟橋に吊るされたロープには牡蠣がびっしりと張り付き、牡蠣の養殖船が静かに沖へ向かって通り過ぎます。

イベントには、13名の子どもたちが集まりました。研究所のホールでは「森は海の恋人」代表である畠山さんのあたたかい声で迎えられ、まずは自己紹介タイム。初めて参加する子も、昨年からのリピーターもいて、少しずつ場が和んでいきました。1日の流れを聞いた後、子どもたちは水着に着替え、ライフジャケットを身に着けます。海にも肌にもやさしいママベビーの日焼け止めを塗り、準備は完了。桟橋に向かい、元気いっぱいにボートに飛び乗ります。
ボートは海風を切り、畠山さんが管理する牡蠣の養殖場へ。水深15メートルの海上には格子状の筏が並び、ロープに吊るされた牡蠣や海藻がゆらゆらと揺れています。畠山さんが筏の上からロープを引き上げると、緑や茶色の海藻に小さな貝やカニがひしめいていました。「このかたまりの中には四百種類ほどの生き物がいて、数でいえば数千匹以上もいるんだよ」と畠山さん。子どもたちは、海の中で息づく命に目を輝かせました。
宮城県は全国でも牡蠣の養殖量が2位を誇ります。牡蠣は、1日に200リットルもの海水を吸い込み、その中に含まれる植物プランクトンを食べて成長します。畠山さんが海に沈めたプランクトンネットを取り出すと、子どもたちは興味津々。観察容器の中で黄色やオレンジの小さな点が揺れる様子に、静かに目を凝らしていました。
養殖場を後にしたボートは再び海風を切り、コエド浜へ。海でたくさんの生き物たちと出会い、その営みを体で感じた子どもたち。次に向かうのは、柔らかな木漏れ日が差し込む森の中。海での発見を胸に、森ではどんな生き物や自然の秘密に出会うのでしょうか。森を通り抜け、反対側の浜を目指します。
森の中では虫の声が響き、畠山さんのレクチャーが始まりました。木々は昼間に二酸化炭素を吸収して酸素を放出します。倒れた木は分解され、その二酸化炭素も海や大気に戻ります。森が豊かであれば、さまざまな生き物の住処となり、落葉などによって肥沃な土壌が作られます。こうして森で育まれた栄養は川を通じて海へと運ばれ、海の植物プランクトンの成長を支えます。森と海は、このように命の循環でつながっていることを子どもたちは学びました。
山道を下り、木々の間から明るい海が顔を出すと、心地よい波の音が聞こえてきます。
目的地である九九鳴き浜に到着すると、穏やかな青空を反射した海はキラキラと輝き、子どもたちはもう待ちきれずに海へ飛び込んでいきました。磯遊びをする子、シーグラスを拾う子、それぞれが思い思いに遊びを見つけて、楽しそうに笑顔を見せていました。
ただ砂浜はちょっとした異変が。普段ここにはいないはずのカニの巣穴がたくさん見られました。温暖化の影響で、南の方の生物が北へと広がっているのです。タイや伊勢海老など温かい場所に生息していた生き物がこの辺りでも見られるようになったと、畠山さんが教えてくれました。
研究所に戻ると、畠山さんが気仙沼で獲れた新鮮なカツオを目の前で捌いてくれました。気仙沼はカツオの日本一の漁獲量を誇るそう。刺身は新鮮さが口いっぱいに広がり、焼き物は香ばしさが食欲をそそります。温かい豚汁も一緒にいただき、自然の恵みと手作りの味に、みんなの心も体もほっこり温まりました。

顕微鏡の向こうに広がる世界。プランクトンから学ぶ森と海のつながり

お腹がいっぱいになった後は、みんなでプランクトンを観察します。先ほど海から採った小さなサンプルを顕微鏡に置くと、壁に映し出された世界がまるで小さな宇宙のよう。髪の毛の50分の1ほどの大きさの生き物たちが、忙しそうに動いているのが見えます。
畠山さんによる海の食物連鎖やプランクトンについてレクチャーが始まりました。プランクトンというのは生き物の名前ではなく、「生き方」のこと。植物のように光と栄養で育つもの、クラゲのように動き回るもの、気仙沼で獲れる牡蠣も生まれたときはプランクトン生活をしています。

森が豊かになると、やがて栄養分が海に流れつき植物プランクトンを育みます。小魚のエサになる動物プランクトンは、主に植物プランクトンを食べているので、植物プランクトンが少ないと海の魚も減ってしまいます。森の中でのレクチャーや、顕微鏡の中の世界が、繋がり出しました。 

プランクトンが豊かな海は濁りが生じるため、澄んだ海が必ずしも豊かな海ではないということや、見た目が少し特徴的な生き物でも生態系にとっては大切な存在だということも、静かに理解している様子でした。

レクチャーを終えると、子どもたちは再び海の中へ飛び込み、思い思いに遊びを楽しみます。波の感覚を全身で感じながら、子どもたちの笑い声が海に響きました。
まもなく今日の体験は終わりの時間です。着替えた後は、ママベビーのローションで肌をやさしく保湿し、ひと息つきます。
最後に、子どもたちが今日1日で印象に残ったことを発表しました。「カツオを通して食物連鎖が学べたのが面白かった」「濁った海でも生き物が豊かに暮らしていることがわかった」といった発言があり、身近なものから学んだ意外な発見に、子どもたちの目は輝いていました。
自然と向き合い、森と海のつながりを肌で感じた一日。学びと遊びを通して、子どもたちの心に小さな学びの芽がそっと育まれたような時間でした。

森と海と未来をつなぐ。畠山さんと考える自然の学び

長年この活動を続ける「森は海の恋人」の代表、畠山さんに、森と海をつなぐプログラムの魅力や、活動を重ねる中で感じた変化、そして未来への想いについてお話を伺いました。
Q. 昨年に続いての開催となりましたが、今回のプログラムで意識された工夫や変化はありますか?

今回はリピーターの子どもたちも多く、新しい発見や視点を持ち帰ってもらえるよう、情報の鮮度を意識した工夫を重ねました。「CO2」に関するレクチャーを取り入れたのは、その一例です。20年前にはこの地域ではクーラーを使うことはなく、海水温も低く海に入れる時間も10〜15分程度が限界でした。近年は温暖化の影響を身近に感じられるようになり、子どもたちにも理解しやすいトピックとして取り入れました。「森は海の恋人」には、全国の大学から研究者が訪れて自然環境等の調査や研究を行なっています。そのため情報は随時アップデートし、子ども向けにわかりやすく共有するようにしています。

Q. 長年このプログラムを続けられる中で、子どもたちの様子や反応に変化を感じることはありましたか?

子どもたちの好奇心は昔も今も変わらないと思います。ただ、自然と触れ合う機会は少なくなってきているように感じます。たとえば、昆虫が大好きでも触れない子や、海辺で育っても釣りをしたことがなく、ここで初めて体験する子もいます。そうした姿を見ると、親世代からの体験が途切れていることを実感する場面もあります。

Q. 子どもと一緒に、自然や環境について感じたり考えたりするために、親としてできることはありますか?

まずは、親子で一緒に本を読んでみることをおすすめします。知らなければ自然や環境について考えることもできませんし、自由研究や調べ学習を通して、親も一緒に学ぶことで、子どもの好奇心がより深まります。知識が増えると、「実際に体験してみたい!」という気持ちも自然と湧いてきます。

また、周りが楽しんでいる姿を見ることで、新しい子も安心して一歩を踏み出せます。例えば私たちのプログラムでは、リピーターの子どもたちが楽しみ方を知っていることが、とても大きな力になります。親子で自然に触れたり観察したりする際は、こうした“周囲の影響”も活かしてみてください。小さな一歩が、子どもにとっての大きな発見につながります。

Q. 今後、森は海の恋人としてこのような体験をどのように続けていきたいですか?

私たちはこれからも、研究と教育、そして環境保全という二つの軸を大切にしながら、「森と海がどのようにつながっているか」を探求していきたいと考えています。実は森と海のつながりを直接的に解明する研究はまだ少なく、たとえば森の面積が広いほど海の生物多様性が豊かになることや、山と海の間に街があってもその関係性は変わらないことなどがわかっていますが、更に深い研究がまだまだ必要です。

現在はより広い範囲で山全体の「流域保全活動」に取り組んでおり、生き物の調査や水質チェック、杉林の手入れや間伐を行い、その変化を月に一度観察しています。将来的には、この山の中で自然観察会も開催し、森の生き物やその営みをより多くの人に体験してもらいたいと思っています。

私自身、家業として牡蠣の養殖を行っており、父の世代から「森は海の恋人」の活動を続けてきました。養殖は自然の一部を大量に育てる行為でもあるため、生産者としての視点だけでなく生態系全体のバランスを常に意識しています。これからも長期的で俯瞰的な視点を持ちながら、森と海のつながりを次世代に伝えていきたいと考えています。
豊かな舞根の自然に囲まれ、「森は海の恋人」ならではのプログラムを体験した子どもたち。畠山さんのあたたかな視線に見守られながら、のびのびと遊び、森と海のつながりを学ぶ1日となりました。

MammaBabyは、これからも子どもたちの好奇心を育みながら、自然と向き合う豊かな時間を届けていきたいと考えています。
NPO法人 森は海の恋人

NPO法人森は海の恋人は、環境教育・森づくり・自然環境保全の3分野を主な活動分野とする特定非営利活動法人です。さまざまな環境問題が深刻になりつつある現在、自然環境を良好な状態にできるか否かは、そこに生活する人々の意識にかかっています。私たちは、普段の生活でほとんど省みられることのない自然の雄大な循環・繋がりに焦点を当てた事業を展開し、森にあって海を、海にあって森を、そして家庭にあって生きとし生けるものすべての幸せを思える人材を社会に提供しつづけていきたいと思います。

https://mori-umi.org/

Everything will be alright.We are right here for you.

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