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性教育とは?子どものデリケートゾーンケアは必要?性教育とは?子どものデリケートゾーンケアは必要?

性教育とは?子どものデリケートゾーンケアは必要? IMAGE

鈴木えみさんの活動を通して知る性教育の重要性

モデル・デザイナーとして活躍する鈴木えみさんが発起人となり、子どもたちへの性教育の普及を目指す「Family Heart Talks」。先日開催された渋谷のトークイベントにはMAMMABABYも参加し、子どもたちの安全と明るい未来を目指して真剣に向き合うえみさんの貴重なお話しをうかがってきました。今回は「Family Heart Talks」をえみさんとともに運営する大石美穂さんに、性教育の大切さについてインタビュー。いつ始めたらいい? どうやって教えるべき? 親世代が抱くさまざまな疑問にお答えいただきました。

Family Heart Talks 大石美穂さん
営業職の経験を経て、学生時代からの夢である教諭に。小学校の特別教諭として保健体育専門で都内複数校にて勤務。コロナ期に入り、子どもたちと直接コミュニケーションをとる機会を失われたタイミングで妊娠、出産。現在は3歳の娘を育てながら、地域のママコミュニティを立ち上げ、未来を担う子供たちにさまざまな経験や学びのチャンスを提供する活動を展開。2024年からは鈴木えみさんとともに「Family Heart Talks」を立ち上げ、講演会やイベントなどの企画や運営を行っている。

家庭での性教育の進め方

Q性教育はいつから始めるべきですか?

性教育の大切さに気づいたときから、各家庭のペースで始めるといいと思います。ベストとしてはお話ができる3歳ぐらいから、お友達との関わりが増えたり心の変化が見られたりする8歳ぐらいまで、つまりは性教育の話に対して抵抗の少ない幼少期から始めることをおすすめしています。それくらいの年齢の子どもたちは、面白いからといってお尻を出してしまったり、好きな子に抱きついてしまったり、そんなハプニングも日常茶飯事。いまの時代、親としてどう対応していくべきか悩むことも多いと思いますが、そういう時こそチャンスと捉え、性に関するお話を子どもとするのがいいでしょう。

Q早くから性教育を始めると性に対して早熟になってしまうか心配です……

ユネスコが提唱している「国際セクシャリティ教育ガイダンス」の統計によると、性教育をきちんと学んでいるほうが初交年齢が遅いというデータが出ています。早いうちから性教育なんて……と不安視される方もいると思いますが、むしろ性について正しい知識を知ることで慎重に捉えられ、自分を大事にすることを学び、他者を大切にできる人へと成長できると私たちは考えています。

“相手の気持ちにどう寄り添うか”を考えるのが性教育

Q幼少期の性教育、どうやって進めるのがいいですか?

まずは絵本を使いながら、一緒に学んでいくのがおすすめです。絵本を通して自分の身体の大切なところ、「プライベートゾーン」を知り、簡単に見せてはいけない、勝手に見てもいけない場所であることを子どもに理解してもらいましょう。友達との実際の関わりの中で、していい行動、ダメな行動を教えてあげるのもよいでしょう。性教育は、いわゆる性行為や身体の機能のことだけを教えるものと思われがちですが、それ以上に “相手の気持ちにどう寄り添うか”を考える教育でもあります。私たちはこれを特に「包括的性教育」と呼んでいますが、これは子どもはもちろん、大人にとっても大事な学びになると思います。

8歳以上のお子さんに対して今から性教育するとなると、お互いに恥ずかしさが生まれてしまって、ハードルが上がってしまうこともあると思います。そういう場合は、トイレに性教育に関する本を置いておくのがおすすめです。1人でいられる場所でそっと読めればお子さんも安心して学べますし、“親が性について気にかけてくれている”ということが、子どもにとっては「何かあった時に受け入れてもらえるだろう」というサインにもなります。今は年齢に応じた素晴らしい絵本や書籍がたくさんあるので、ぜひ活用してみてください。


【幼少期におすすめ】だいじだいじどーこだ はじめての「からだ」と性のえほん
著者自身の子どもとのエピソードを交え、性教育のはじめの一歩であるプライベートゾーンへの理解を深める絵本。「子どもたちから好き!と評判が高いのがこちら。性教育の第一段階が非常にわかりやすくまとまっています」(大石さん、以下同)

【幼少期におすすめ】性の絵本 0 ハグしていいかな
3歳から読める性教育絵本。男性と女性の身体の違いから、赤ちゃんができるまでが1冊に。こちらの0巻のほか、9巻まで展開。「段階別に小冊子が続いていくので、子どもの年齢や成長に合わせて追加して性教育への学びを深めていくのもおすすめです」


【小学生におすすめ】人体絵本 めくってわかる・からだのしくみ
身体の仕組みと働きを理解する知識・学習絵本。折りたたまれたポップアップをめくる楽しさも。「図鑑は幅広く身体のことを知ることができるので、入り口として子どもの興味をひきやすいです。少し大きくなってからの性教育に」


【小学生〜大人におすすめ】親子で考えるから楽しい! 世界で学ばれている性教育
人権、安全、健康、ジェンダーなどユネスコの包括的性教育のガイダンスをもとに、5~18歳の学習年齢にあわせて学べるわかりやすい1冊。「鈴木えみさんにおすすめしてもらった本です。漫画で読みやすく子どもはもちろん大人も“性教育とは何か”を理解しやすい内容」

Q性教育を学ぶことで、性犯罪から子どもを守ることができるのでしょうか?

大前提として“自分の身体の大事なところはどこか。なぜそこを守らなきゃならないのか”ということを子ども自身が理解できていないと、性犯罪に対する危機管理能力もつきません。「身体の大切なところ、プライベートゾーンは下着や水着で隠れる場所だよ」「自分以外の誰かが、勝手に触ったり見たりしていけないところだよ」「相手が望んでないのに、他の人に見せたり触ったりしちゃいけないんだよ」ということを性教育を通して伝えることで、何かが起こった際の自己防衛力を育むことができます。大事なのは繰り返し教えること。子どもは意外なほどすぐに忘れてしまうので、親もあまり戸惑ったり気負ったりせず、何度も伝えてあげましょう。

また、性犯罪に関する法律の改変や昔とは違う人との距離感など、親も知識や感覚をアップデートしていく必要があります。最近は特に、小学生高学年や中学生から被害を受ける事件や子供同士の性トラブルも増えています。そういったニュースを自分事として捉え、性教育を通して被害者も加害者も生まない環境づくりを社会全体で行なっていくことが大切です。

幼少期から始めるデリケートゾーンケア

Q子どもにとってもデリケートゾーンケアは必要でしょうか?

顔や身体よりも皮膚が薄く乾燥しやすいデリケートゾーンは、子どものうちから専用ソープで洗う習慣をつけることがおすすめです。私自身の話になりますが、娘が3歳になった頃から普通の石けんで身体を洗うようになったら、デリケートゾーンが痛いと言われたんです。実際に見てみると少し赤く炎症を起こしていたんですね。私自身はデリケートゾーン専用のソープを使っているのに、気づいてあげれなくてごめんね……と反省したことがありました。小児科の先生によると、1人でトイレができるようになった頃の子どもはどうしても拭き残しが多く、そこからかゆみや炎症が起こりやすいそうです。また成熟期、生理を迎えるちょっと前の年齢も、身体が変化していく中で老廃物や分泌物が多く出るのでトラブルが起こりやすいとか。幼少期から思春期まで、子どものデリケートゾーンケアの重要性を再認識しました。我が家でも使っているMAMMABABYの泡ソープは、自然由来100%で低刺激なのにクリーミィな弾力泡で優しく洗い上げるから、子どものデリケートゾーンにも安心して使えます。また、一緒にお風呂に入っている年齢の場合は、デリケートゾーンを洗うときに「ここは大事なところだから丁寧に洗ってね」と、プライベートゾーンについて話すチャンスにもなりますね。

大人として 親として どう性教育と向き合うか

Qもし子供が性犯罪に巻き込まれたら、親としてどう対処すれば良いでしょうか?

まずは親自身が、いつ何が起こるかわからないという危機管理能力を持っておくことが大事です。その上で日頃から、プライベートゾーンに踏み込まれる出来事があったらどうするべきか、「嫌だ、やめてって言う」「その場から逃げる」「大人に話す」という対処法を具体的に教えてあげるのがいいでしょう。私たちはこれを「No,Go,Tell(認定NPO法人CAPセンター・JAPANによるプログラム)」という標語にして、子ども向け講演会の際に伝えています。もし子どもから性犯罪の可能性が高い話を聞いた場合も、まずは冷静に「話してくれてありがとう」と対応しましょう。親が動揺したり、怒ったりすると、再び同じようなことが起こった場合に子どもが話しづらくなってしまいます。その上で事件性が高いものである場合は、専門の機関に相談したり、場合によっては警察に届けるなどの方法をとりましょう。

日頃から家庭内で子どもがトラブルと感じた出来事を話しやすい環境を作っておくことも大切です。鈴木えみさんはお子さんの髪をドライヤーで乾かしてあげる間に、その日起こった嬉しかったこと、嫌だったことをお互いに話す時間にしているそうです。親がまず話をすることで、子どもも“大人でも嬉しいこと、嫌なことがある”と理解できて安心し、日常の中にあるトラブルの火種も話しやすくなります。

【性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター】
性犯罪・性暴力に関する相談窓口#8891で、最寄りのワンストップ支援センターにつながります。
産婦人科医療やカウンセリング、法律相談などの専門機関とも連携しています。

Q親も性教育を学ぶべきでしょうか?

性教育は人権尊重の基盤であり、心の成長を学ぶことだと思っています。親にとって我が子の身体の成長は目で見てわかりますが、心の成長は意外とわかりにくいもの。だからこそ、5歳から8歳のときには精神的に何が起るかとか、10歳になるとどんな気持ちの変化があるのかとか、そういうことを親が知っておくことで、子どもが抱えるモヤモヤにも上手に対処してあげることができます。例えば、「最近誰かと手を繋ぐのが嫌になった」という子どもに対して、「それは心の成長だから嫌なときは嫌だって言っていいんだよ」と教えてあげれば、「お友達のことは好きなのに、なぜなんだろう?」という初めての感情に不安や我慢が生まれてしまう子どもを安心させてあげることができます。こういった子どもの小さなSOSに対して、親として心の成長を見守る体勢を整えておくことが大事であり、それこそが親が性教育を学ぶ意味だと考えています。



「Family Heart Talks」
鈴木えみさんが自身の幼少期の経験や子育てをする中で大切と感じた性教育の普及を目指し、2024年に発足。教員として学校教育の現場にいた大石美穂さん、性に関する情報を発信しているサイト「命育」のサポートを受け、講演会を中心に精力的に活動を続けている。SNSにて保護者の方から寄せられた質問に対してお答えするQ&Aコーナーも発信中。
https://www.instagram.com/family_heart_talks/

Everything will be alright.We are right here for you.

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