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皮膚科専門医が教える子どものための正しい紫外線対策 Before UVケア編

2022.04.07

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記念すべき第1回はこれからどんどん強くなる「紫外線」にまつわるお話です。

暑い夏だけではなく、1年中降り注ぐ紫外線。

大人は当たり前のように行う紫外線対策ですが、赤ちゃんや子どものための正しい対策ってどうすればいいのだろう?紫外線って悪いことだけじゃないけれど、繊細で敏感な子どもの肌をきちんとケアしてあげたい。

そんなMammaたちの声にお応えすべく、皮膚科専門医の先生に聞いてみました。

紫外線のいいところ

まずは紫外線が私たちの身体にもたらすいい影響についてお伝えします。

①ビタミンDを生成してくれる

【ビタミンDの働き】

ビタミンDは、食べ物から摂取するほか、紫外線を浴びることで自ら身体の中で合成することができ、主に小腸や腎臓でカルシウムとリンの吸収を促進する働きをしています。

では、カルシウムとリンはどんな働きをしているのでしょう?
カルシウムは、骨や歯を作るだけでなく、血液凝固や筋肉の収縮にも関わっています。そして、リンはカルシウムとともに骨格を形成したり、エネルギーや脂質の代謝において重要な役割を担っています。ビタミンDが不足してしまうと、子どもでは「くる病」、大人では「骨軟化症」という病気になってしまう可能性があります。

【ビタミンDの効果】

最近の研究では、ビタミンDには、肝臓がん、肺がん、乳がん、前立腺がんなど、さまざまながんに対する予防効果があることもわかってきています。

【ビタミンD生成に必要な紫外線量】

ビタミンDについてお話させていただきましたが、ではどのくらいの紫外線を浴びればビタミンDは生成されるのでしょう?

ビタミンD生成に必要な紫外線量は、夏で1日15分〜30分程度

日中は特に紫外線量が多くなりますので、日焼け対策や暑さ対策をして、適度に日光を浴びましょう。1時間を超えるとそれ以上は増えないことが実験でわかっておりますので、浴びすぎにはご注意ください。 

②体内時計の調整

【体内時計と日光の関係】

体温やホルモン分泌などを調整している体内時計は、25時間周期で動いています。でも地球の1日の周期は24時間。日光はこの1時間のズレを調整する機能があります。毎朝、日光を浴びると睡眠・覚醒リズムが整い、質の良い睡眠を得られるようになります。

【散歩のおすすめ】

長時間日光を浴びる必要はないので、朝からお昼頃にかけて1日15分程度の散歩をしていただくのがおすすめです。

紫外線の悪いところ

①免疫機能低下

紫外線は皮膚の免疫力を下げる機能があるので、日焼けした肌はウイルスや細菌感染に弱い状態になってしまいます。例えば、日焼けにより免疫低下が起こると、口唇ヘルペスが出てきたり、日焼けによる炎症と乾燥でかゆみが生じ、引っ搔いてじゅくじゅくした部分から「とびひ」になってしまったりすることがあります。

②光老化によるシミ

「光老化」とは、日光を長年浴び続けることによってひき起こされる皮膚の変化のことです。肌の細胞は、通常約28日周期で新しい細胞に生まれ変わる「ターンオーバー(新陳代謝)」を繰り返しています。これに伴い、紫外線を浴びて作られたメラニンも、ほぼ28日サイクルで役割を終え、古い細胞とともにはがれ落ちます。しかし紫外線を浴び続けると、メラニンが過剰に作られたり、光老化により肌の細胞の再生能力が低下したりすることで、ターンオーバーのサイクルが乱れてしまいます。そうすると新陳代謝が滞り、本来はがれ落ちるはずのメラニンも、そのまま肌に滞って色素沈着=「シミ」となってしまいます。 

③乾燥

紫外線を浴びた後の肌は普段より乾燥します。ターンオーバー(肌の新陳代謝)は約28日周期なので、日焼けをした後は約1ヶ月間、特に重点的に保湿をするようにしましょう。乾燥をそのままにしてしまうと、乾燥性の湿疹である「皮脂欠乏性湿疹」を引き起こす原因になるので、しっかりと保湿をすることが大切です。

子どものための正しい紫外線対策

では、紫外線のいいところ、悪いところを踏まえた上での正しい紫外線対策はどのようにしたらよいのでしょうか?赤ちゃんや子どもの肌は、すべすべで理想的なように見えますが、実は大人の半分ほどの薄さしかなく、とても繊細です。
その分紫外線による影響も受けやすいと言えます。

①外で遊ぶときは日焼け止め。肌にやさしい「完全ノンケミカル」がおすすめ。

適度な紫外線を浴びることはビタミンD生成を促してくれますが、浴びすぎは要注意。外で遊ぶときや、赤ちゃんと長時間外出するときなどは、子ども向けの日焼け止めを塗ってあげましょう。お顔や腕、足だけでなく、忘れがちな首元、首の後ろなどにも塗ってあげることが大切です。

繊細で敏感な子どもたちの肌には、できる限り刺激の少ない「ノンケミカル」の日焼け止めを選ぶことをおすすめします。石鹸やお湯で落とせるタイプですと、お子さまにも使いやすいかと思います。シーンによって使い分けても良いですね。

「ノンケミカル」とは紫外線吸収剤を使用していないことを言います。
ただ、ノンケミカルUVと言っても、テクスチャーをよくするためにシリコンやポリマーなどのケミカル成分を使用していることも多いです。肌に限りなくやさしい、《100%自然由来=完全ノンケミカル》の日焼け止めは、赤ちゃんや子どもの毎日の紫外線対策に安心して使うことができます。

②帽子やUVカット衣類の着用

日焼け止めと併せて、帽子やUVケアをしてくれる衣類を着用するとより安心です。長時間外で過ごす際は、特に注意しましょう。

 

今回お話を伺ったのは・・・
皮膚科専門医 森下美奈子 イメージ
皮膚科専門医
森下 未奈子
東京慈恵医大医学部卒業。慈恵医大皮膚科や聖路加国際病院皮膚科で活躍後、2020年に第1子を出産し、現在子育て中。
「赤ちゃんから大人まで、様々な肌トラブルに対応する中で、患者様一人一人の肌質や生活スタイルに沿った丁寧な診療を心がけています。」

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